Aquascutum
アクアスキュータム
公式 http://www.aquascutum.com
1851年、ジョン・エマリー (John Emary) がイギリス・ロンドンの中心地リージェント通りに高級紳士服店「エマー&カンパニー」をオープン。
1853年、防水加工を施したウール地を開発。この素材で仕立てたレインコートがビクトリア時代の紳士達の最先端ファッションとして普及。同時に、店の名前をアクアスキュータムと改称。これはラテン語で「水 (Aqua) 」と「楯 (Scutam) 」を組み合わせた造語で「防水」を意味する。
1990年に日本の株式会社レナウンが買収。 2009年、レナウン社は全株式を英国のBroadwick Group Limitedに譲渡 (ライセンス製造は継続) 。
第一次世界大戦で兵士に提供した防水コートは、その抜群の防水性と保湿性が塹壕 (トレンチ) で戦う兵士を守ったことが、現在のトレンチコートの原型となった。
トレンチコートといえば、BURBERRY (バーバリー)、Aquascutum (アクアスキュータム)、MACKINTOSH (マッキントッシュ) の3大ブランドが有名。
●詳しく。アコーディオンにする
1854年、極寒のロシアでのクリミア戦争で防水性のコートが将校達に支持されたことから知名度が飛躍的に上がった。軽騎兵に突撃の合図をする際、もっと腕を動かしやすいようにとの要請で、ラグラン袖を考案したのもアクアスキュータムの裁断師である。
着道楽で有名だったエドワード七世も、雨の日のセント・ジェームズ宮殿で側近達の着ていた水を弾くコートに魅せられ、プリンス・オブ・ウェールズ・チェックのコートを注文し、アクアスキュータム初の王族の顧客となった。1897年、エドワード七世 (当時はエドワード王子) から王室御用達の勅許状を賜り、名実ともに英国を代表するブランドとなる。
1900年には婦人服部門を設立し、撥水性のケープやコートを売り出した。これは婦人参政権論者の間で広く使われるようになった。
1920年から1936年にかけてエドワード七世の孫にあたる後のウィンザー公から、さらに1952年には皇太后陛下からも王室御用達の勅許状を賜る。
1990年、日本の株式会社レナウンの傘下に入るが、2009年に全株式を英国のBroadwick Group Limitedに譲渡。以降、同社100%出資のもと運営していたが、赤字続きのため2012年に経営破綻を発表した。
アパレル関係以外にも、眼鏡、筆記具、靴、寝具、ジュエリーなど様々なアイテムを展開。日本へは1960年代に進出し、サブ・ライセンスは21社にものぼる。
●タイトル「LOVE and TRENCH」キャンペーン
ブランド創設160周年の2011年を皮切りに毎年行っているキャンペーン。
2011年「浜崎あゆみ」
2012年「beautiful people」
2013年「大草直子」
2014年「ESTNATION」「大草直子」
2015年「ベルサイユのばら」
2014年はトレンチコートが発明されて100年の記念year!セレクトショップ「アクアスキュータム」「ESTNATION」「大草直子」のトリプルコラボ。
2015年は"ジェンダーフリー"をテーマに漫画「ベルサイユのばら」とコラボレーションした。5年目を迎えるキャンペーン「LOVE and TRENCH」の企画として実現。ブランドの代名詞であるトレンチコートをまとったオスカルとアンドレのロマンティックで美しいヴィジュアルが公開された。キャンペーンサイトでは、アクアスキュータムが誕生した英国を舞台に、壮大なスケールで描かれたオリジナルストーリー漫画を公開。9月16日以降は、全店頭で同ストーリー漫画の冊子を配布した。
公式 http://www.renown.co.jp/LoveandTrench/
●2012年 経営破綻
英国・ロンドン発のブランド「Aquascutum (アクアスキュータム) 」を展開するAcuascutum Group (アクアスキュータムグループ) が2012年4月17日、日本の会社更生法にあたる会社管理手続を申請した。これにより、管財人が新たなスポンサー企業を探し、事業を継続する方針である。
2009年までレナウンが出資をしていたが、全株式を英国のBroadwick Group Limitedに譲渡。以降、同社100%出資のもと運営していたが、赤字が続いていた。
日本での取り扱い企業はレナウンだが、2009年に商標権を譲渡した香港YGM Mart Limitedより長期のマスターライセンスを受けた上で「Aquascutum」ブランドの衣料品等の企画・製造・販売を行っている。
「Aquascutum」ブランドの商標権は地域ごとに分かれており、中国を除くアジア圏は香港YGM Mart Limited、アジア圏を除く地域はAcuascutum GroupのAcuascutum Limitedがそれぞれ保有。両社に財務上の関わりは無く、香港YGM Mart Limitedに属する日本での展開についてレナウン社は、「影響がない」(同社・広報) と発表している。