ロリィタファッション

ロリータファッションとは?


ロリータファッションとは、ファッションのジャンルの一つであり、大別すると「甘ロリータ」「ゴシックアンドロリータ」「クラシカルロリータ」の三つに分類できる。その他、和装を取り入れた「和ロリ」、パンクと融合した「パンクロリ」などの亜種も存在する。また、ファッションの他に、それらの世界観を持つ作品のジャンル を示す言葉としても使われる。

「ゴスロリ」がロリータファッションの総称のように扱われることがあるが、実際は逆で、ゴスロリはロリータファッションの中の一種類であり、ロリータファッションの中でも異なるファッションスタイルである「ゴシック」の要素を含んだもののみを「ゴシック・アンド・ロリータ」と呼び、日本独自のファッションスタイルである。最近のメディアでも一括りに「ゴスロリ」と称されてしまうことが多々ある。

価値観の異なるロリータの間でも、なぜか流儀は違えど全てのロリータがこよなく愛するものが奇跡的に存在する。それはルイス・キャロル著の「不思議の国のアリス」である。

語源

「ロリータ」は、少女愛を扱ったロシア人、ウラジミール・ナボコフ (Vladimir Nabokov / 1899-1977) の小説 “ロリータ (Lolita / 1955 初版) ” また、それを原作とするスタンリー・キューブリック (Stanley Kubrick / 1928-1999) 監督の映画の題名に由来する。更に詳しく説明するとロリータとは、作品に登場する12歳の美少女・ドロレス・ヘイズのドロレスの愛称の一つで、作中ではドリー、ローなどとも呼ばれている。

「ゴシック」は、中世 (15世紀末あたりまで) のヨーロッパのゴシック様式から来ていて、建築、絵画、後にはファッションや文学、文字フォントなどにも多大な影響を与えた。ただし「ゴスロリ」自体は日本で生まれたので、厳密に「ゴシック様式」に則ったファッションという訳ではない。ただ日本人、とりわけ少女がイメージするゴシック様式 (荘厳で華麗、耽美、退廃) ではあるといえる。

この二つが組み合わさった言葉「ゴシック・アンド・ロリータ」は、言語化するとすなわち、中世ヨーロッパの神秘的で退廃的な少女といった感じの意味になる。

ロリータは男性の性的嗜好であるロリータコンプレックス、いわゆるロリコンの意味でも使われる言葉なので、区別するために「ロリィタ」と表記されることがある。また、個性の演出として旧字体を好んで使用する愛好家もおり、その場合は歴史的仮名遣いで「ロリヰタ」と表記される。

ゴシック・アンド・ロリータ、ゴシック アンド ロリータ、ゴシック&ロリータ、ゴシック&ロリィタ、ゴシック&ロリヰタ、ゴシックロリータ、言い方が違うだけで同じものである。

イメージを言葉で表現するならば、「退廃」「耽美」「暗黒」「異端」「生と死」「堕天使」「悪魔」「聖少女」などが挙げられる。

英語では、「Gothic Lolita」「GothLoli」「Goth-Loli」などと表記される。しばしば、記号「†」(短剣符 / ダガー / Dagger) と共に表記される。

名称の由来

ゴスロリという名称は、関連する雑誌編集者やメディアなどが、「仕掛け人」となって作った言葉ではなく、ストリートの女の子達から生まれて育っていった言葉である。

雑誌「ゴシック&ロリータバイブル」などを手がける編集者によると、1998年1月から原宿でスナップ撮影を始めたところ、1998年5月ごろからボンネットを付けた人形のような服を着た少女たちに会うようになり、そのファッションが「ゴシック&ロリータ」略して「ゴスロリ」と呼ばれていることを知ったという。

MALICE MIZER (マリスミゼル / 1992年8月結成) が1997年に日本コロムビアと契約してメジャーデビューを果たし、ギタリストのManaが着るゴシック&ロリータの姿が全国的に映し出され、それが世に認知される大きなきっかけとなった。一時期、Manaがゴシック・アンド・ロリータと名づけた、という説が流れたが、これはMana自身が否定している。 しかし、Manaが自分のファッション・スタイルについて「エレガントで、ゴシックで、ロリータな」スタイルと表現していたため、ファンの間で「ゴシック・アンド・ロリータ」という言葉が生まれたというのが有力な説である。

イメージ

ロリータのイメージソースとなる時代の風俗・文化に、バロック、18世紀ロココ時代、19世紀ヴィクトリア時代といった欧州の様式・風俗のほか、日本の大正時代などが挙げられる。

ゴシックは中世ヨーロッパの建築様式を指す言葉であるが、それとは大きく異なる。中世ヨーロッパの廃墟、主に教会、城、館などを舞台に繰り広げられる、ホラーの混じったゴシック小説の登場人物、および世界観が原点である。ヴァンパイア、フランケンシュタイン、ドラキュラなどがそれにあたる。

子供服とロリィタ

ロリータファッションの要素を取り入れた子供服も存在するものの、それらはコンセプトの似た系統である姫系や、ピンクハウス同様、別の要素のあるドレスなどにロリータ服の要素を取り入れたものにすぎず、シャーリーテンプルなどに代表されるロリータの要素のある子供服は、ロリータファッションとは形状・デザインの細部が異なり、ヘッドドレスやボンネット等は使用されない。

双子ロリータ

ロリータ友達 (ロリ友) とお揃いのロリータ服、または同じデザインで色違いを着て歩くことを「双子ロリータ」という。

お茶会

「お茶会」とは、昼間の時間帯にロリータファッションを着用して集まり、紅茶を飲むという会である。しかし、ただお茶を飲むだけではなく、ロリータ・ファッションを着る機会、友達作りの場、顧客受注会などの意味も持つ。また、お茶会は全国各地で行われており、その規模も服飾メーカーが主催する100人規模のもから、私的な10人前後の集まりまでさまざまである。 日本国外でもフランスやアメリカ、韓国でお茶会が開催されている。

種類と特徴


まずロリータファッションというジャンルがあり、甘ロリ、クラロリ、ゴスロリはその中のカテゴリである。

ロリータファッションの特徴として、リボン、レースやフリルなどの装飾、膨らんだスカートがあり、そこに別のテイストを足したものが細かくカテゴライズされる。モチーフにはサクランボやイチゴなどの果物、薔薇などの花柄、小鹿やプードルといった動物、クッキーやケーキなどのお菓子、ハート形、王冠、お姫様や妖精など童話も用いられる。

ロリータは動きやすさよりも、愛らしく見えることだけに集中したような装いであり、「労働しないお姫様・お嬢様」への憧れや魅力を感じさせる服装でもある。元々女性にとってのファッションやおしゃれは、実用性というより趣味の領域であり、それがより端的に現れたのが、ロリータファッションである。

甘ロリ (Sweet Lolita)

フリルやレースをあしらった少女趣味的なデザインが主流で,パニエでスカートにボリュームを持たせ,ヘッドドレスを纏い、ヨーロッパの貴族やお姫様のドレスを彷彿とさせるとともに、少女のあどけないかわいらしさ、小悪魔的な美しさを表現。幼児的なフォルムでお菓子やアニマルプリントなどを使った甘さ重視のロリータ定番スタイル。

色はピンク、サックス、白、黒、赤などたくさんあり、そのうち黒一色または黒メインのものがいわゆる黒ロリという。 黒ロリとゴスロリはよく混同されるが、そもそもゴスロリは黒とは限らない。色で見るのではなく「甘いテイストかゴシックテイストか」で見ると区別しやすい。ロリータの基本形であるジャンパースカートにフリルブラウスの典型的なロリータを「コテロリ」と呼ぶこともある。

クラロリ (Classical Lolita)

正式にはクラシカルロリータという。甘さを控え、お嬢様や貴婦人のような上品さ、優雅さを基本とする。髪飾りにはヘッドドレスよりも、豪華なボンネットや コサージュなどが合わせやすい。

スカートは甘ロリに比べて膨らみを抑えて、丈も膝下ぐらいとやや長め。色は黒、ショコラ、生成り、ボルドー、紺など落ち着いた色を使う。

ゴスロリ (Gothic and Lolita)

ゴスロリは略語であり、正式には「ゴシック&ロリータ」「ゴシック・アンド・ロリータ」「ゴシックロリータ」などという。

甘ロリやクラロリに比べると理解するのに難易度が高くなる。なぜかというと、ゴシックファッションとロリータファッションを融合させたものなので、そのどちらも理解しなければならないからである。まずはじめに頭に入れておきたいことは、先に述べたように「ゴスロリと黒ロリは別」ということ。元々西洋に存在していたゴシックファッションが日本のロックシーンに流れ込み、聴衆である少女たちに昇華されて生まれたスタイルと考えられている。

ゴシックファッションとは、中世ヨーロッパに端を発し、耽美的・退廃的、あるいは怪奇的・幻想的な雰囲気のダークなファッション。

つまり、ゴスロリとはダークなテイストを持ったロリータ。ここでのダークとは色味のことを指すのではなく、薔薇や十字架、髑髏、修道女やヴァンパイア、蜘蛛など、高貴で退廃美を表すモチーフを使ったり、ボンテージなどハードなアイテムを取り入れることもありる。また、コルセットでウエストを細くくびれさせたり、白塗りメイクをしたり、あるいはベストなどでマニッシュな要素を含ませたり、バリエーションは多岐に渡る。

全体のコーディネートの特徴は「甘過ぎず辛過ぎず」で、甘過ぎるとただの「黒いロリータ」、即ち黒ロリになってしまいがちである。

個々の部分については、ヘア・アクセサリーはボンネットやカチューシャ、ミニハットを合わせるが、薔薇のコサージュがついたものが一番それらしく見えると言われている。また、トップスやボトムスは黒で、ロリータ感を出すためにフリルは必須であるが、ロリータになりすぎないようにするためにパニエは控えめがよく、さらに黒一色になってしまうのも好ましくないとされるため、ワンピースやジャンパースカートなどのメインの洋服は黒をメインカラーとしつつも、差し色を入れるならば赤や青などの抑えめな色がよいとされており、パステルカラーは用いるべきではないとされている。ソックスはひざ下丈のハイソックスで、黒地に黒レースあるいは白レースが無難である。靴はロリータ・ファッションと同じく、つま先の丸いものを用いるが、色は黒で、ヒールのあるものや光沢のあるエナメル素材がよいとされる。

メイクは、極端に白い肌色や濃いアイシャドウの病的な雰囲気を出し、赤や黒あるいはダークな色みの強い口紅を用いるというゴシック調である。また、メイクにはヴィジュアル系バンドの影響がみられるほか、顔は白塗りのこともまれにある。ゴシック&ロリータのメイクは、魔女のような死人めいたメイクと表現されることもある。こうしたメイクはゴシック&ロリータの非現実感を強調するために必須で、「メイクもファッションの一部」、「全身ゴスロリなのに靴はローファー、顔もスッピンはNG」とブランドのデザイナーもメイクの重要性を指摘している。

また、髪型については縦ロールや姫カットが好まれる。縦ロールは巻くのが大変であるためウィッグを用いるものも多い。ヘアメイクや小物によってゴシック&ロリータにもロリータにもなると言われており、ヘアメイクはスタイルを左右するものである。

姫ロリ (Princess Lolita)

姫ロリとは、甘ロリをお姫様風にドレスアップしたスタイル。 ギャルからの人気が高い。しかし、ギャルのする姫ロリは露出度が高く、正統派のロリータから嫌われたり、反対している者も存在する。ギャルっぽくならないためには露出度を減らし、髪を盛ってもあくまで上品に着こなし、振る舞う必要がある。従って、素足などの露出はよくない。

スチームロリ (Steampunk Lolita)

スチームパンク・ロリータ。略称はスチームロリ。ロリータファッションとスチームパンクの融合。

スチームパンクとは?

王子ロリ (Prince Lolita)

王子ロリとは、ボーイッシュに作られたロリータ・ファッションのこと。男性というよりも少年を意識したデザインである。

パンクロリータ (Punk Lolita)

ロリータパンク、略してロリパンとも。パンクファッションの意匠を取り入れたロリータ。タターンチェックやジップ、フェミニンな中にチェーン、安全ピン、スカルや囚人服のようなボーダーなど反社会的なイメージの王道モチーフを取り入れたファッション。一般的に考えられるロリータファッションのドレスアップとは対極にあるようなアイテムを取り入れている。

1990年代中期にメロディック・パンク、メロコアと呼ばれる音楽ジャンルが登場し、パンクが再び脚光を浴びた際に、日本でファッションとしての「ロリータパンク」が流行したことがあり、特に歌手のJUDY AND MARYはその象徴的存在であったという。

和ロリ

和装をロリータ風にアレンジしたレトロで耽美的なファッションスタイル。

ナチュロリ (Natural Lolita)

ナチュラルロリータ。ナチュラル系ファッションや森ガールファッションの意匠を取り入れたロリータ。代表ブランドは「MiELette Tautou」。

デコロリ (Decorative Lolita)

原宿系のデコラティブファッションの要素を含んだもの。デコラとは、とにかく派手な色柄をごちゃごちゃ組み合わせて、アクセサリーをジャラジャラ付けたスタイル。 色は原色やパステル、ポップで明るいビタミンカラーなどが基本。Angelic Prettyをベースにデコるとあわせやすい。

ムスリムロリータ

2015年頃に話題になった新しいジャンルの一つ。イスラム教徒の女性が日本のロリータファッションを取り入れたムスリムロリータ。宗教上、女性は肌や髪の毛を露出できないムスリムならではの着こなし。頭にかぶるヒジャブもロリータファッション仕様のかわいらしい色合いになっており、教義を守りオシャレを楽しんでいる。

色のバリエーション


白ロリと黒ロリ

白を基調にしたロリータファッションを白ロリと呼ぶ。白はどんな色と合わせても相性がよく、きれいにまとまりやすいのでベーシックな色として好まれる。白ロリは甘いながらも楚々として上品な雰囲気になる。生成は漂白していない糸や布による黄色みを帯びた白であるが、真っ白よりも温かみがあるため、アンティークな雰囲気をもった服とは好相性であり、真っ白と違い、黒と合わせてもきつい印象にならない。

一方、黒は白の対比として好まれる。黒を基調にしたロリータファッションを黒ロリと呼ぶが、黒ロリとゴスロリの違いはゴシックの要素を含んでいるかいないかという点である。白ロリと同じ甘いデザインでも、黒ロリにはシックでアンニュイな雰囲気がある。

サックスロリ

サックスロリのサックスとは、春夏物のロリータ服によく見られる、はっきりとした水色のことを言う。愛好家の中には、ディズニー版「不思議の国のアリス」のような、サックスブルーのワンピースにボーダーのニーソックス、白いエプロンのコーディネートでアリス風にすることもある。

ピンクロリ

ピンクロリは、文字通りピンクのロリータのことを指すが、ロリータファッションではペールピンクや、ベージュやグレーがかったピンクが好まれる傾向にある。ピンクは夢見るように甘く、ロマンチックな雰囲気で、心理学的にも女性らしさを高めてくれる色であるが、コーディネートにおけるピンク色の選択はとても難しいもので、ちょっとした違いで上品にも下品にもなってしまう場合がある。

赤ロリとボルドー

赤ロリとは赤を基調にしたロリータのことであり、赤い色はロリータでは一年を通して愛される色であるが、赤と似た色であるボルドーは秋冬物の差し色に使われる。ボルドーとは熟成したワインのような赤紫色のことであり、甘くキュートな赤ロリにはない、しっとりした重厚感と艶やかさがある。また、気高くも退廃的な妖婦 (ヴァンプ) の色でもあり、赤よりもドレッシーに見えるが、一歩間違うと安っぽく野暮にもなるという。なお、赤ロリは白ロリと同じく目立つ色である。

ブラウン

ブラウンは秋冬のイメージカラーであると共に、アンティーク風やクラシック風のロリータ服に向いている。

グリーン

緑色の中でも、甘ロリには淡く薄い緑、クラロリには濃い緑やくすみがかった緑が傾向として見られる。

イエロー

暗闇で最も見えやすい色で、明るく軽快なイメージからレモンイエローなどの鮮やかな濃い色はビタミンカラーと呼ばれ「元気の出る色」として用いられる。黄色は個性的な色だが、ほかの色に比べて極端に見かける機会が少ない。

アイテム用語


基本であるドレスとブラウス

ジャンパースカート、略称はJSKやジャンスカ。ロリータ・ファッションにおける基本の一枚がJSKであり、そこに丸襟ブラウスを合わせるのが定番コーディネートである。袖がなく一枚で着ないのがJSKで、袖があり一枚で着るものをワンピースと呼ぶ。中に一枚着ることを前提としてサイズ設定されているのでJSKを素肌に直接纏うとパカパカしてしまう。一方で、海外では素肌に着用するアクティブな人も稀にいる。ロリータファッションにおけるブラウスの基本色は、白・黒・生成の三色。ロリータファッションは通販で購入する場合もあるが、ロリータファッションブランドの多くがワンサイズで展開しており、デザインが可愛くても自分のサイズに合わないことがあるため、こうした店舗に通える人はまず実物を見て、必ず試着した方が良い。基本的に同ブランドで全身を統一した方が安定感がある。

エプロンドレス
pinafore (ピナフォア) ともいう。『不思議の国のアリス』のアリスのイメージからドレスやスカートの上に重ねてはくエプロンドレスもロリータ・ファッションで用いられる。ロシアでは伝統的な子供服として着用されており、入学式や卒業式でその姿が見られる。エプロンはコケティッシュでかわいらしい雰囲気が出るが、エプロンには強いヴィジュアル・イメージがあるため、メイドやアニメコスプレと間違えられやすい難点がある。

ロココ スタイル
18世紀フランス、ルイ15世の愛妾で才色兼備で知られた"ポンパドゥール夫人"、ルイ16世の王妃"マリー・アントワネット"のロココ時代で着用していたようなファッションをアレンジしたワンピース。布地にはリボンやレース・刺繍などがふんだんに施され、ラッパ状に袖が広がった姫袖、首から胸にかけての部分 (デコルテ) の美しさを際立たせるため、襟が大きく開かれ、胸元の開いたガウン式の前開きローブの下には逆三角形の胸当がついている。コルセットでウエストを細くして、当時はペチコートを何十枚も重ねてスカート部分を膨らませていた。

ヴィクトリアン スタイル
19世紀イギリス、ヴィクトリア時代の服をアレンジしたワンピース。首回りや腕を隠した裾の長い上品なデザインが特徴で、肌の露出部分はあまり多くない。1850年代にスカート全体を膨らませるクリノリンが発明され大流行、1860年代には最大の広がりとなり、動作に不便な点が多く、馬車の車輪に巻き込まれる、暖炉の火が引火するなどの事故が多発。命を落とす女性もいた。1870年代に腰の辺りを膨らませるバッスルが流行。その後スカートを膨らませずストンとした服装が一時期流行したものの、1880年代にバッスルが再び流行、それが20世紀初頭まで続いた。

アウター

カーディガン
ジャケット形式のセーター。防寒としてはウールやアクリル、ポリエステルが一般的。ロリータブランドではないがおすすめを紹介。arrow (アロー)、axes femme (アクシーズファム)、LODISPOTTO (ロディスポット)、Fi.n.t (フィント)、Amavel (アマベル)

ボレロ
丈がウエストよりも短く、前立てや打ち合わせがなく前が開いているものの総称。日本の学校制服にも用いられる。

ビスチェ
元はフランス語で、ストラップ (肩ひも) が無い、丈の長いブラジャー型の下着のことを指すが、現在では同様の形状のアウターウェアのこともこう呼称する。デコルテが広いのでアクセサリーがよく映える。スカートと一体になったビスチェドレスもある。露出度が高いので上にボレロやカーディガンを重ね着する。

カマーベルト

カマーバンドともいう。起源はトルコの服装に用いられていた腹部に巻く飾り帯 (サッシュ) で、15世紀頃からヨーロッパの軍隊で装飾や身分を表すため、或は敵味方識別のために用いられるようになった。ロリィタでは飾り帯として着用する。

外套

コート
パニエをスカートの下に履くと、普通のコートだとスカートが入らないことが多いので、冬場はロリータブランドで売られているコートを買うかどうか検討する必要も出てくる。ショート丈の方が着用時の全体のシルエットが綺麗。ロング丈コートはパニエの膨らみが潰れてしまう弱点がある。

ケープ
肩に羽織る袖がないもので、丈が肘くらいまでの長さのものを指す。

マント
ケープと同じく、袖のない羽織りものだが、こちらの丈は短くても腰くらいまである。ロングケープと呼ぶことも。

インヴァネスコート
スコットランドのインヴァネス地方で生まれた。イメージはシャーロック・ホームズのコート。丈が長いコートにケープを合わせたデザインを持ち、コート部分は袖のあるものと無いものがある。ケープは取り外しが出来る物と出来ない物があり、袖無しの物は取り外せない場合が多い。 ケープの背中部分がコートの背中部分と一体化している物もある。

手袋

主にクラシカル系に着用する。甘ロリは冬以外あまり付ける事が無い。防寒以外の用途の手袋としてなら無地のサテンやビロード、総レースの生地がお勧め。ゴシックロリータやドール風コーデの時はあると無いのとでは完成度が違う。取り扱いはクラシカル系のお店やブライダル関係のお店。

お袖留め

レースをふんだんに使った装飾的なカフスを指し、ラッパ状に広がった姫袖を留めるのに使う。姫袖の服でお茶や食事をするときにあると便利。また、シンプルなデザインのブラウスの袖口の上から着けたり、半袖ブラウスの時はリストバンドのように使用することもしばしばされる。ロリィタファッションの定番アイテムのひとつ。

スカート

スカートは、タイトスカートの型が基本の「長方形」、セミタイトスカートの型が基本の「台形」、フレアスカートの型が基本の「Aライン」の3つの形状に大別できる。また、それをもとに変形したものやアシンメトリーなどがある。

【Aラインスカート】
・フレアスカート
裾に向かって朝顔の花のように波打ってひらめくような形状。

・サーキュラースカート
円形フレア。

・トランペットスカート
裾が楽器のトランペットのように広がっている。

・マーメイドスカート
タイトスカートの裾にフレアを複合した形状で人魚の下半身に似ている。

・エスカルゴスカート
渦巻き式にはぎ合わせたスカート。

・ティアードスカート
横にギャザーを入れて、段にして繋げたスカート。などがAラインに分類される。

【台形スカート】
・ギャザースカート
ギャザーとは「寄せる、集める、縮める」の意。ウエストや腰回りの布を縫い縮めてひだを寄せたスカートで、プリーツと違い折目が無い。

・プリーツスカート
ウエストから裾まで折り目があるスカート。折り山が途中で消えるものはダーツ。因みに、縫い目だけに折り山が付いているのはタックで、プリーツとは区別される。

・ボックスプリーツスカート
箱のような折り目が裏で突合せになったプリーツのスカート。

・ワンウェイプリーツスカート
ひだを一方向にたたんだスカートのこと。片方にひだを倒すことから、「追いかけひだ」「車ひだ」「サイドプリーツ」とも呼ばれている。

・キュロットスカート
19世紀後半ヴィクトリア時代に乗馬で女性が馬の背に跨がれるように考案された。股下があって、半ズボンと同様の構造をした女性用の衣類。本当の半ズボンと違い、裾にむかって広がった、ゆったりとした作りのため、一見、スカートに見える。などが台形の分類に入る。

コルセットスカート
変形スカートの一つとして、コルセットスカートがある。コルセットとスカートが繋がって一体化したもので、コルセット部分はジッパー等で開閉でき、楽に脱ぎ着できるように工夫されているものが多い。コルセット部分からスカートにかけてのラインの美しさが魅力。なお、デザインがコルセット風に見えるだけで締める効果の少ないものや、コルセット部分にボーンが入った本格的なものまである。

バッスル
スカートの装飾部分の名称。元々は女性のスカートの腰の後ろ部分を膨らませる為につけられていた枠状の下着や腰当てのことを指したが、最近では、バッスルを履いているかのような後ろの腰が膨らんだ段フリルを施したデザインのスカートの形状をバッスルと呼ぶ。

パニエ

元々は「鳥かご」を意味する言葉。18世紀のロココ調に膨らませるためにスカートの下にパニエを着用してボリュームを出し、さらにパニエによって膨らんだスカートから下着が見えるのを防ぐためにドロワーズを履く。釣り鐘状に広がったスカートは、階段などで下から覗かれる危険性があるので注意が必要である。パニエには様々なボリュームのものがあり、長さ、色、デザインや素材なども多彩である。パニエは普通スカートの下に一枚重ねるものだが、上級者はデザインに合わせて何枚か重ね履きすることもある。初心者におすすめのパニエは、チュールやオーガンジー、シフォンのようなやわらかい素材でできたパニエで、全身黒の場合は黒でそれ以外は白が良いとされる。代表的なものを以下で紹介する。

チュール
南フランスの町名チュールが名の由来。六角形や菱形の細かい網目模様をした薄手の生地。絹、綿、ナイロンなどの生地がある。硬くて肌に触れるとチクチクするが少量でもボリュームが出る「ハードチュール」と、 柔らかくて控えめに膨らむ「ソフトチュール」があり、メッシュの大きさや布の種類によって区別される。日本語では、網地の形から亀甲紗 (きっこうしゃ) とも呼ばれる。

シフォン
元来は、縦糸緯糸とも強撚をかけた細い片撚りの生糸を用いて、荒い平織りにした絹織物であるが、レーヨン、ナイロンなどの化学繊維を使ったもの、メリヤス編み (天竺編み) のものなど、様々なものがある。最近はシルクテイストの化繊を用いた類似のシフォンが主流。オーガンジーと似ているが、シフォンはより柔らかい素材が用いられている。とても薄く繊細で透けるのが特徴。大量の布地を使うことでパニエとしての膨らみを作り出す。重たい布地のドレスには不向き。ボリューム重視ならトリコットだが、スカートの自然なふんわりとした動きが好きな人はシフォンが良い。お手入れは洗濯ネットに入れて手洗い。

ジョーゼット クレープ
略してジョーゼットとも呼ぶ。当初は絹で、次いでレーヨンや混紡で、現在は合成繊維の糸で作られることが多い。平織りで織られ、他のちりめん同様、強く撚った糸が使われる。ジョーゼットの特徴的な縮れた表面は、縦糸/横糸とも、右撚り/左撚りの糸を交互に並べることで現れる。シフォンとオーガンジーの中間の柔らかさ。柔らかさをアピールするためにシフォンを冠してシフォンジョーゼットと呼称することも。

オーガンジー
基本的には絹で、縦横とも50番以上の単糸を使用した平織物。経緯密度が160本以上のものをローンといい、さらに擬麻加工を施した織物をオーガンジーという。シルクテイストの上品で光沢のあるやわらかな素材であるレーヨン、ポリエステル、ナイロンなどを用いたオーガンジーが、今では主流になっている。輝度の高いポリエステル生地をグラスオーガンジーという。

トリコット
経メリヤスのうち代表的な編組織で、光沢があり適度なハリとコシでさらさらとした肌触りの生地。一枚ではほとんど膨らまないため、ペチコート代わりやボリュームの出る他のパニエと併用することが多い。お手入れは洗濯糊を入れるとハリが復活する。

シャークレープ (sheercrape)
シャー (Sheer) ともいう。 紗に似ておりジョーゼットにも似た織物。JISの定義では、「経糸にSZ強撚の生糸を1本交互に配列し、よこ糸のSZ強撚の生糸を2本交互に使用した薄地の平織物。」最近はポリエステル、ナイロンを使ったものがほとんどで、シャリ感を持たせた織物をシャーといっている。

ワイヤー
ワイヤーパニエ。昔は鯨の髭を使い、非常に高価なものだったが、現在はワイヤーを使い、軽くて小さく畳めることができるものが主流。ウェディングドレスによく用いられる。畳み方は、ワイヤーを8の字にひねって二重の輪にする。

ペチコート

スカートの下に履くスカート状のアンダーウェアで、スカートの滑りをよくする意味合いが強い。パニエとペチコートがセットの場合もある。

ドロワーズ

ドロワーズはロリータの象徴的なアイテムである。色は白が初心者向けである。一部では、本来は下着という扱いなので絶対に外から見えてはならない、という意見もあるが、現代ファッションではそこまで頑なにならなくてもいいのではないかとされ、膝下丈のスカートのものならば、スカートの下に装着して、裾からフリルの付いたドロワーズを覗かせるという使い方もある。抵抗のある人はよく履くスカート丈に合わせて、ちょうどいい長さのものを選ぶと良い。逆に、本物の下着が見えなければいいので、ロング丈でタイツの場合はドロワーズを省く着こなしも一部でされる。

また、ミニ丈のスカートには、ドロワーズよりも丈が短めで、ウエストと裾口がゴムで締められたブルマが向いている。ロリータファッションにおけるブルマは、ドロワーズの丈をそのまま短くしたような感じであり、いわゆる体操服のブルマより優雅で古典的なデザインをしている。

頭部

ヘッドドレス
略称はヘドレ。広義では頭部を飾るアクセサリーのことで、ミニハットやボンネット、カチューシャなどを総称して呼ぶ。しかし、ロリータファッションでは、帯状あるいは楕円状の飾りを頭上に載せ、両端から伸びるリボンを首の下もしくは、首筋で結んで固定させる物を指すことが多い。リボンが余って気になるときは、首を一周してチョーカー風にアレンジすることも。ウイッグ、エクステと地毛の境目を隠したいときにも重宝する。円形ヘッドドレスの場合、固定する為のコームが付いている事が多いが、それだけでは不安定な場合はヘアピンを使うと安定する。斜めに着ける物やヘッドドレス風のカチューシャもある。

リボンカチューシャ
リボンがカチューシャに付いているもので、初心者でも簡単につけられる。元はロシア語圏によく見られる女性の人名、エカテリーナ (エカチェリーナ;Екатерина) の愛称形である。因みに、カチューシャとは日本独自の呼称で、英語ではヘアバンド。

ボンネット
着用方法はヘッドドレスと同じで、耳の裏を通って顎の下で結ぶ。後頭部を覆わないものをハーフボンネットという。

ミニハット
帽子を小さくしたもの。コームやピンもしくは両方使って留めるものや、あご紐用のリボンがついたタイプもある。

ファシネーター (fascinator)
ファシネーターとは、軽くて装飾性の高い頭部の装身具で、羽根や造花、ビーズ、リボン、レース、ベールなどをあしらったものである。帽子と比べ圧迫感がなく入念にセットした髪型が乱れないという利点がある。夜のパーティなどで使用されるものはカクテルハット (Cocktail Hat) の名前でも呼ばれ、ドレスと共布で作られることもある。ロリィタではカクテルハットの呼び名が一般的。

カンカン帽
麦わら帽子の一種。麦わらを固く編んだもので、天井とブリム (つば) が平らなのが特徴。クラウン (帽子の山の部分) は円筒形である。多くの場合ハットバンド (リボン状の帯) が付いる。クラシカル系の服装と相性が良い。フランス語ではカノティエ、もしくはキャノティエ。英語ではボーダー。

ヘアスタイル

前髪はまっすぐに切りそろえられたものがロリータらしい。ヴィジュアル・イメージを作るのに最も効果的であり、薄くて長い前髪よりも多めに作ったものの方が人気がある。ヘアスタイルは、顔の横にかかる髪を、短くまっすぐに切りそろえたストレートヘアの姫カットが、ロリータの間では定番化しており、またブロッキングした毛束を細いヘアアイロンで巻いたゴージャスな縦ロールは、ロリータのあこがれである。他にもカーリーヘアや、ウェービーヘア、三つ編み、または三つ編みを輪の形に整えたもの、ツイストヘアなどがある。ショートヘアはあまりロリータには向いていないとされるが、もしする場合は、やはりすいて軽くしたりせず、重いシルエットを作ると良い。しかし、ロリータはヘアスタイルにおいても個人の好みが反映されるため、ゴシックやパンク寄りのスタイルを好むものの中には、ウルフやシャギーを取り入れランダムに仕上げる人もいるようである。ウィッグはこれまで縦ロールのような再現が困難な髪型や校則などで髪が染められないなどの理由で使われることが多かったが、近年はよりコーディネートの完成度を高めるために使用する人が増えた。

ロリータに人気の高い髪色は金髪 (ブロンド)、黒髪 (ブルネット)、茶髪 (ブラウン) であるが、最近ではピンクや水色などインパクトの強い色も流行している。

アンティークな雰囲気を大切なするロリィタさんから絶大な人気を誇るのが「パゴタ傘」である。ミャンマーのお寺の形を模した特徴的な傘で、パゴダ (pagoda) とは仏塔 (ストゥーパ) を意味する英語。日本の仏塔と同様、仏舎利 (釈迦仏の遺骨等) または法舎利 (仏舎利の代用としての経文) を安置するための施設である。

靴下

靴下は、主にフリルやレース付きの長いハイソックス、オーバーニーソックス、アンクルソックス (足首)、タイツを履く。ソックスは白、黒、横縞などの柄、アーガイルチェックなどの格子模様が多い。

靴下留め
靴下留めとは、本来、ガーターストッキングを吊る為のガーターベルトのことを指すが、 ロリィタファッションにおいては、ゴムでギャザーを寄せたレースを輪にしたものを指すこともある。こうしたデザインの靴下留めは、靴下の履き口に重ねて履き、レース付きソックスのように使われる場合が多い。

オーバーニーソックス
正式名称はオーバーニーレングスソックス。英語圏ではオーバーニー (over knee) と略される。ひざが隠れる丈のソックスを指す言葉。それぞれ、かかとからの長さに応じて、 「ニーハイソックス」40~50cm、「オーバーニーソックス」50~60cm、「サイハイソックス」60cm~とされている。ひざ丈のスカートやワンピース、ジャンパースカートを着用することが多く、あまり肌を露出しないロリィタファッションとの相性は抜群。

クルー丈ソックス
ふくらはぎの下まで (くるぶしの上) の長さのソックスのこと。あまり肌を露出しないのが定番のロリィタファッションだが、中には定番アイテムとしてクル―丈ソックスの取り扱いがあるロリィタブランドもあり、春~夏にかけての暑い時期に着用する人も少なくないようである。

ロリータファッションにおける靴の定番色は、服に比べるとさらに少なく、黒・ブラウン・赤・ピンク・白といった範囲のものがブランドでは主流である。中でも黒と白は汎用度が高く便利である。靴の色は、服と同じか似たような色か、または、服の中にポイントで使われている色と合わせるのが基本である。

靴はおでこ靴、ストラップシューズが基本であるが、他にもウッドソールの厚底靴、バレリーナシューズ、レースアップブーツなどを履く。

夏の足もと
ロリータファッションではサンダルや素足はあまり好まれていない。理由はボリュームたっぷりの装飾的な服に対して、足もとにだけ生々しい違和感が出て、涼しげというより「履き忘れた」ように見えてしまうからだそうである。

おでこ靴
つま先がコロンとしているロリィタ特有とも言われる。カジュアルからロリィタまで使いまわせて汎用性があり便利。

厚底靴
つま先からかかとまで均等な厚みがある靴。ヒールの靴より意外と歩きやすい。ゴスロリと相性が良い。

ぺたんこ靴
ヒールがほとんど無い靴で甘ロリと相性が良い。少女らしい服や良く歩き回る日に向いている。

木底靴
ソールの部分が木で出来ている靴。ロリィタ用の靴では厚底+ウェッジソールか厚底である事が多い。

「不思議の国のアリス」及び、そのシリーズ作品について


「アリス」の物語が誕生したピクニックの日のことを、ルイス・キャロルは「黄金の昼下がり」と呼んでいた。アリス10歳、キャロル30歳のことである。

地下の国のアリス

『地下の国のアリス』(Alice's Adventures under Ground) は、ルイス・キャロルが1864年に知人の娘アリス・リデルに贈った手書きの本。『不思議の国のアリス』の原型となった物語。キャロル自筆の原本は現在大英博物館に収蔵されている。この物語は1862年7月4日、キャロルとリデル家の三姉妹、ロリーナ、アリス、イーディス、およびオックスフォード大学でのキャロルの同僚ロビンソン・ダックワースが行ったゴッドストウへのピクニックの際に生まれたもので、アイシス川 (オックスフォードではテムズ川をこう呼んだ) をボートで上る最中に、キャロルがアリスのために語って聞かせた即興のお話であった。アリスにこの話を書き留めておいてくれるよう頼まれたキャロルは、ピクニックの翌日から執筆に取り掛かり、元の物語に続きを加え、幾度も練り直して1863年2月10日に物語の執筆が完了した。キャロルはさらにここから挿絵の執筆に取り掛かり、装丁もすべて自分で手がけて1864年9月13日に本を完成させ、1864年11月26日、12歳のアリスにこの本をプレゼントした。この間の1863年7月末にキャロルは友人のファンタジー作家ジョージ・マクドナルドの家に一週間滞在し、マクドナルド一家の写真、延いては娘アイリーンの写真を何枚も撮っているが、これが挿絵のモデルと推測される。ウェーブのかかった長い黒髪の挿絵の少女は、写真で見る髪の短いアリス・プレザンス・リデルよりもアイリーン・マクドナルドのそれによく似ている。このときジョージに原稿を読んでもらい好評価だったことが、『不思議の国のアリス』として出版するきっかけとなった。

キャロルがアリスに贈った自筆本『地下の国のアリス』は、1886年末にファクシミリ版として出版された。

不思議の国のアリス

『不思議の国のアリス』(Alice's Adventures in Wonderland) は、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンがルイス・キャロルの筆名で書いた児童小説。1865年11月26日刊。本作品に付けられたジョン・テニエルによる挿絵は作品世界のイメージ形成に大きく寄与した。初版を語るうえで、4種類の版がよく話題に出る。

初版第一刷
1865年6月終わりまでに初版『不思議の国のアリス』は2,000部が刷られていた。キャロルは7月15日に著者の献呈の辞を20部ほどに書いていたが、テニエルは挿絵の印刷具合に不満で、全てやりなおすように、との手紙をキャロルに送っていた。それを受けて8月2日に初版を回収する決断がなされ、既に製本されて販売・贈呈されていた48部は回収された。この48部が初版第一刷である。

初版第二刷
未製本の1,952部については、当初キャロルの希望では紙屑として売られる筈だったのだが、ニューヨークのアプルトン社に売られることとなった。このうち1,000部が製本されてアメリカ版として販売された。

初版第三刷
残り952部については、イギリスから来た本文とアメリカで印刷されたタイトルページとで製本してアメリカで販売された。

第二版
本家のイギリスでは刷り直した版を第二版として1866年の日付で販売された。但し1865年11月までには販売されていた。

鏡の国のアリス

『鏡の国のアリス』(Through the Looking-Glass, and What Alice Found There) は、 前作の続編として1866年頃に執筆をはじめて、1871年のクリスマスに出版されたルイス・キャロルの児童小説である。前作では不思議の国を冒険した少女アリスだが、今作では鏡を通り抜けて異世界に迷い込む。前作と同様、文中には様々な言葉遊びやパロディがちりばめられているが、即興で作られた話がもととなっている前作とは異なり、はじめから出版を意図して作られた今作の物語はより知的な構成がとられている。アリスをはじめとする登場人物たちはチェスのルールに従って、桝目で区切られた鏡の国の中を行き来する。また今作ではハンプティ・ダンプティやトウィードルダムとトウィードルディーといった、マザー・グースに由来するキャラクターが登場するほか、ナンセンス詩の代表作として知られる「ジャバウォックの詩」が作中作として登場する。挿絵も引き続きジョン・テニエルが手がけている。

前作の挿絵と比べるとエプロンの裾にフリルが追加されており、白無地だったタイツには縞が入っている。また頭にはヘアバンドが新たに加えられており、これはのちに「アリスバンド」の名で知られるようになった。

アリスの年齢は『鏡の国のアリス』では7歳6ヶ月、『不思議の国のアリス』では明言はされていないが、ちょうど7歳と推測される。

初版
『鏡の国のアリス』は1871年12月24日に出版されたが。発行年の記載は1872年となっている。また、Jabberwockyの詩の一部に誤植があり、その後増刷されたときに修正された。どちらも「初版」とされているので、同じ初版の中に異版がある。

子供部屋のアリス

『子供部屋のアリス』 (The Nursery "Alice") は、1890年にマクミラン社から刊行されたルイス・キャロルの著書。キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』を「0歳から5歳」の幼児向けに短く翻案したものだが、小さい子が理解できない論理あそびや詩の替え歌は省かれ、更に、子供に語りかけるような易しい文体に書き直されている。挿絵は原著に使われたジョン・テニエルの白黒の挿絵から20の場面を選び、テニエル自身が彩色を施している。アリスの頭と腰にリボンが、スカートにはギャザーが描きたされて、より可愛らしくなっている。ただし表紙と裏表紙の絵はテニエルではなく、キャロルの友人の女流画家エミリー・ガートルード・トムスンが手がけた。

初版
初版は1889年に印刷されていたが、色合いに満足しなかったキャロルはこれを没にした。既に刷り上がっていた一万部は病院等に寄付されて散らばった。刷り直した第二版が正式に最初の版となり発売された。

アリスの服の色

本国イギリスでは、キャロルの生前、1892年にキャロルの承認のもとにアリスのビスケット缶が作られたが、ここでのアリスこそテニエルの挿絵に青い服の彩色、という今でも見られる色であった。因みに、腰のリボンは赤で、タイツは白と赤の縞模様。生前においても、キャロル自身「青い服のアリス」を目にしていたことになる。

キャロルの死後、テニエルの死ぬ3年前の1911年に、ロンドンのマクミラン社は、テニエルの挿絵16点を全ページ大の図版に描き直して彩色したものを含む両『アリス』本の合本を刊行した。彩色は画家のハリー・G・シーカー (1873-1954) が行い、アリスのドレスは『子供部屋のアリス』の黄色から青みがかったスミレ色に変わった。ディズニー版『ふしぎの国のアリス』は、この色を参考にしたとみられる。

アリスブルー (Alice blue)
ルイス・キャロルの作品に登場する少女と混同されることがあるが、無関係である。色味自体も全く似ておらず、アリスブルーとは、ごく淡い灰色がかった水色。アメリカ第26代大統領のセオドア・ルーズヴェルトの娘、アリス・ルーズヴェルト・ロングワースが好んだことから命名された。

レース


機械レースと手編みレースの2つに大類できる。機械レースは機械の種別により、エンブロイダリー、リバー、ラッセル、トーションの4種に分類される。

機械レース

■エンブロイダリーレース
embroideryは刺繍の意。中世フランス語embrouderが語源。em-は「中に」、broisdは「縁」、-erは不定詞語尾で「縁に飾る」という意味。織物やチュールに穴を開け、その周りを光沢のある糸や箔糸で刺繍を施した装飾用刺繍レース。穴があるので透け感があり優雅な印象を与える。下地を残すとネットレース、綿レース。薬品で溶かして残さないとケミカルレース。

・ケミカルレース
絹の布地に綿糸で模様を刺繍をし、それを苛性ソーダ液に浸し、絹を溶かして刺繍糸だけのレースにしたもの。最近は絹にかわって水溶性ビニロンや、綿糸のかわりにポリエステルを使ったものもある。

・ネットレース (NetLace)
チュールレース (TulleLace)、チュールエンブレース、チュールエンブロイダリ―レースなどともいう。16世紀に手製レースから始まる。ルイ16世時代に大流行。18世紀機械編みの登場で一気に普及。チュール、または網目レースの上に刺繍する。刺繍法には区限刺繍、自由刺繍、アップリケの3種がある。

・綿レース (CottonLace)
生地ものレース、エンブレース、刺繍レースなどともいう。かつては綿を用いた。生地に刺繍を施す。刺繍糸の描く柄、糸の密度、太さ、糸と布のコントラストにより様々な表情を見せる。刺繍しながら布に穴を開けることもある。


■リバーレース (LeaversLace)
リバー編機で製造。1813年イギリスの鍛冶工、ジョン・リバーが開発。機械で編むレースの中では最高級とされる。 編み上がる模様は、優雅でクラシカルな印象を与え、レースの縁にでるヒゲも特徴のひとつ。 極細糸を様々な模様に撚り合わせて編み、複雑な組織を作る。糸の捻り合せはボビンレースと同じ。英国中部ノッティンガムのクルーニーレース社が有名。※ベルギーのプリンセスレース、テープワークレースも一形態。


■ラッセルレース (RaschelLace)
ラッセル編機 (経編機) で製造。編みながら柄を出し薄く平らに仕上げる。リバー レースに類似しているが、同じ糸レースでも撚り合わせ組織のリバー レースとはまったく異なる。リバーレースは光沢感があって立体感があり、ラッセルレースは光沢感は無く平面的。その為、ラッセルレースを施した服や靴下は安っぽく見えてしまい、嫌う人が多い。柄駆動方式として、ジャカード カード方式とチェーン ドラム方式がある。

・ジャガードトロニック (Jacquardtronic)
ジャカードトロニックレース機で製造。リバーレースの模倣。肌触りが良く柄部分が肉厚で比較的丈夫なもので主にインナーに用いられるハイゲージタイプと、透け部分が多く繊細な外観で主にアウターに使用されるローゲージタイプがある。

・テキストロニック (Textronic)
KARL MAYER社のテキストロニック®レース機で製造。地組織はくさり編。落下版とも呼ばれる。柄糸を地組織に組み込まず両端のみで留めることにより柄糸を浮かせたもの。ストレッチタイプ (elastic) とノンストレッチタイプがある。


■トーションレース (TorchonLace)
ボビンレース製法を機械化。組紐機械から進化した円型機械で細巾状に編まれる。ボビン (糸巻き) から次々と巻かれた糸を交差させながらジャガード装置により柄を出す。主な素材は、太い麻糸、木綿糸。網目が粗い。イタリアのトーション地方で生まれた。

手編みレース (手製レース)

■ニードルポイントレース (NeedlepointLace)
パーチメント (羊皮紙や紙) を地布代わりに使用。パーチメントにモチーフのアウトラインを手がかりにして、モチーフを作製。パーチメントからアウトラインの糸を切り離す。糸のみで出来上がったモチーフを取り出して、用途に合わせて大きさ、長さを調整。形や立体感を自在に表現できる。


■ボビンレース (BobbinLace)
ボビンレースは、レース織りのことであるが、日本では一般的にレース編みと表現されることが多い。 中世ヨーロッパ王侯貴族が襟や袖飾りに着飾った。レース用枕の上にピンで模様を印して、その上にボビンを使って編んでいく。

音楽シーンとの関係


1980年代頃、トランスギャルとナゴムギャルという2種類のおっかけが存在した。トランスギャルは、トランスレコードのYBO2、Z.O.A、ASYLUM、SODOMなどのおっかけをし、全身を真っ黒の出で立ちに青白いメイクと髑髏のアクセサリーを身に付け、MILK、OZONE COMMUNITY、Y's、COMME des GARCONSなどのブランドを好んだ。またナゴムギャルは、ナゴムレコードのたま、人生、筋肉少女帯、ばちかぶり、死ね死ね団などのバンドのおっかけをし、ボーダーのニーソックスにリボン、派手なTシャツにラバーソウルを着た実年齢よりも幼い印象で、Jane Maple、MILK、PINK HOUSEなどのブランドを好んだ。その後イカ天でバンドブームが到来し、歩行者天国でストリートライブが行われるようになってくると、様々なバンドを見るファンによって、ナゴム系とトランス系の双方の要素が混ざっていき生まれた。なお、バンドブームの衰退とともにトランスギャルの好んだ服装もナゴムギャルの好んだ服装も主流から消えていった。

1990年代、独自の美学を持っていてハードロック・へヴィメタルをやっているバンドが「ヴィジュアル系」と呼ばれるようになった頃、ゴスロリをヴィジュアル系バンドがステージ衣装に取り入れたり、雑誌でゴスロリ系ブランドのモデルにヴィジュアル系バンドのメンバーが起用されたりと相互に影響を与え合っており、ヴィジュアル系バンドに憧れる層もゴスロリに関心を抱くようになった。

MANA

MALICE MIZERはそれまでのヴィジュアル系と比べて、群を抜いて濃いメイクと衣装、過剰な演出をしていたが、MALICE MIZERの中で女性的な位置づけであったManaのスタイルをエレガント・ゴシック・ロリータと称したものがルーツで、Manaがゴシック・アンド・ロリータを最初に定義した。

一般の少女たちが行っていたロリータ・ファッションのアレンジをまとめたのがManaの「Moi-même-moitié」である。ゴシック・アンド・ロリータが商業的に売れるようになったのはMALICE MIZERが1997年にメジャーデビューし、ゴシック・アンド・ロリータを着るManaの姿が全国的に映し出されたことが大きい。

Manaは「ブランドの構想を考え出した97~98年頃、世の中にLolita系ブランドはあったのですが、ダークで可愛いものを扱っているブランドが、僕が知っている限りではありませんでした。僕は怪しくて、Gothic的なものも大好きだったので、そこにLolitaの持つ可愛らしさを組み合わせたら、と考え、Gothic&Lolitaというものを創り出したのです。」と述べている。

アーティスト

Moi Dix Mois
分島花音
春奈るな
妖精帝國
Die Milch
黒色すみれ
Alice Eden
Rose Noire
ALI PROJECT
北出菜奈
asriel
黒夜葬
葉月ゆら
AYUTRICA
六弦アリス
Ether
Losrosaria
Land-YOU
-LostFairy-
Alieson
UNDER FOREST
HANGRY&ANGRY
Loveless

オタク文化との関係


ロリータファッションとメイドコスプレが混同されることがあるが、共通するものとしてエプロンドレスがある。エプロンドレスは、汚れてもエプロン部分のみにとどまることを活かして子供服に取り入れられることがあり、「不思議の国のアリス」におけるジョン・テニエルの挿絵にもみられる。

また、ロリータファッションの中でも黒を基調とするゴスロリが色合い的にメイド服と重なり合う。しかし、ロリータファッションは中世ヨーロッパの貴婦人の普段着を現代風にアレンジした文字通りファッションであるが、メイドは家事労働を行う女性使用人でありメイド服は仕事着、という点で大きく異なる。メイド服がファッションとして取り入れられなかったのは、お姫様要素のあるロリータに対して、そこに仕える使用人という関係の位置づけも起因している。

1997年以降、日本のアニメーションやゲーム世界のキャラクターに必須となったメイドであるが、メイド喫茶の登場により、二次元の世界が中心であったメイド服を着用する文化が生まれた。

コスロリ

コスプレ雑誌『電撃レイヤーズ』は「コスロリ」という言葉を提唱している。コスロリとは、コスプレっぽいロリータ、コスプレとしてのロリータの意である。

オタク文化のコスプレは日本が世界に誇れる文化であるが、今まで述べてきた事からもわかるように、メイドコスプレと混同されることがある。コスプレとはコスチュームプレイの略語で、仮装によってあるキャラクターになりきる、演じることを指すが、その中でロリータファッションもコスプレとして扱われることがある。コスプレ用として製造されたロリータ服は、アニメキャラとしての好みが重視されており、そのため視覚的な分かりやすさが求められ、「ロリィタ」と分かりやすくするために、実物よりも特徴が大味で極端なデザインが多く、通気性を無視した素材のものもある。男性の性的嗜好を満足させる類になると、露出も増え、デフォルメが目立ってくる。そのため、ロリータファッションを「非日常への変身衣装」としてではなく、「ファッション」として愛する人間は「仮装」「コスプレ」と形容されることを非常に嫌う。

アニメ

多くの男性が本格的にゴスロリを強く意識するきっかけの一つとして、漫画・アニメ「Rozen Maiden」(原作 PEACH-PIT/ 幻冬舎コミックス/ コミックバーズ/ 2002-2007)、および「ローゼンメイデン」(原作 PEACH-PIT/ 集英社/ 週刊ヤングジャンプ/ 2008~ ) が挙げらる。 アニメ化もされたこの作品の、同人の世界におけるゴスロリ流行の影響力は目を見張るものがあった。 「ローゼンメイデン」 自体には、厳密にはゴスロリとは云えない部分がかなりある。

ローゼンメイデンに限らず、アニメやイラストなどの二次元萌えキャラの作者がロリータを理解せずに描いていることが多々あり、その度に物議を醸している。例えば、黒地に白いフリルをよくゴスロリと間違えられる。ゴシックテイストがなければもちろんゴスロリではなく、それは黒ロリになってしまう。

コラボレーション

アニメという媒体のおかげで、昔に比べるとロリータファッションが身近に感じられるようになったが、元来コスプレとの混同を嫌うロリィタにとって、アニメとのコラボは必ずしも歓迎されているとはいえない。デザインがアニメ寄りすぎてファッションとして成り立たず、かといって中途半端にアレンジされていると完コスにも使えない。ということが多々ある。ファストファッションが台頭する昨今では、ファッション業界も生き残りが厳しいので商業的なことを考えると否定は出来ないが、批判が多いことは確かである。

2008年

・黒執事がATELIER BOZとBLACK PEACE NOWの2ブランドとコラボ (第一弾)

2010年

・屍鬼×ラフォーレ原宿
METAMORPHOSE HARAJUKU、PUTUMAYO、MEDI STORE、BLACK PEACE NOW、ATELIER-PIERROT、COMMODE、Angelic Prettyの6ブランドとコラボ。

・黒執事がATELIER BOZとBLACK PEACE NOWとコラボ (第二弾)

2011年

・Innocent World×GOSICK

・マクロス×新宿マルイワン
マルイワンが主体となり、BABY、metamorphose、PUTUMAYO、ATELIER BOZが参加した。

・metamorphose×薄桜鬼

・ATELIER BOZ×裏切りは僕の名前を知っている
登場人物のゼス (ルカ=クロスゼリア) をイメージしたワンピース

・Innocent World×輪るピングドラム

・海月姫×「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT」および「ALICE and the PIRATES」

・BABY×ダンタリアンの書架

2012年

・osamu moet moso motto〜feat.marui-one〜
オサム・モエット・モッソとは、手塚プロダクションが主催する「手塚治虫で妄想する。」をテーマにした全国を巡回する展覧会で、様々なクリエイターが参加している。和泉つばす×アンジェリックプリティ、いとうのいぢ×アトリエボズ、上条衿×エイチナオト、倉花千夏×メタモルフォーゼタンドゥフィーユ、西又葵×メタモルフォーゼタンドゥフィーユがそれぞれコラボした。

2013年

・Innocent World×ローゼンメイデン
水銀燈 (スイギントウ)、金糸雀 (カナリア)、翠星石 (スイセイセキ)、蒼星石 (ソウセイセキ)、真紅 (シンク)、雛苺 (ヒナイチゴ)、雪華綺晶 (キラキショウ) 。作中に登場する7体のドールの服をイメージして作られた。

・Angelic Pretty×マクロスF

・ALICE and the PIRATES×ダンガンロンパ

2014年

・gouk (h.NAOTO) ×薄桜鬼

歴史年表


インターネットが普及し、欲しい情報が気軽に手に入るようになり、日本のマンガ、アニメ、音楽といったカルチャーが海外から注目されると同時にロリータファッションも注目されるようになった。

1970年代

1970年3月、ロリータファッションの源流と言われている大川ひとみがデザイナーを務める「MILK」が設立。原宿にオープンしたMILKは当初、高価で、また日常着としては非現実的なデザインだったため、主にアイドルのステージ衣装として使われていた。芸能人への衣装提供を始めた先駆けでもある。しかし、やがてMILKを日常着として着るものが現れ始めた。

1971年にニコルの金子功が松田光弘とともに「PINK HOUSE」ブランドを開始。8年後、ニコルからビギに移籍。

1974年に子供服ブランドの「シャーリーテンプル」が創立。

1980年代

1980年代前半、新しいタイプの女の子のリセエンヌファッションを取りあげた雑誌『Olive』を愛読している女の子のファッションスタイルを「オリーブ少女」と呼んだ。雑誌『Olive』に度々登場したのは、カントリーテイストであどけなさの残る少女のようなテイストの「MILK」と、フリルの多用された花柄のワンピースが主なアイテムの「PINK HOUSE」。両ブランドとも、現在のロリータファッションと直接重なるわけではない。だが、清楚な学生らしさとフランスらしいシックなオシャレな感覚のリセエンヌファッションが流行したことから、そこで目標とされていたのは、日本人によって理想化された「西洋の少女」であった。そこから出発し、最大公約数的に「ロリータらしい」要素が選択され、今のスタイルに結び付いたと言える。

※ "リセ (仏:lycée)" とは、フランスの後期中等教育機関。日本の高等学校に相当する。"リセエンヌ (仏:lycéenne)" とは、フランスの中等教育課程 (リセ) における、女子生徒の呼称。日本でいう女子高校生にあたる。

1980年代中期、一方ではDCブランドに身を包む黒づくめの「カラス族」も流行。DCブランドとは、日本の衣服メーカーブランドの総称で、DCとはデザイナーズ (Designer's) & キャラクターズ (Character's) の略である。

1985年、「MILK」のデザイナーの一人が独立して「セント・メアリ・ミード」を立ち上げる。1989年に「Jane Marple」としてラフォーレ原宿にオープン。

1980年代後半になると、インディーズレーベルで勢いのあったナゴムレコード所属アーティスト (有頂天、筋肉少女帯など) の追っかけで、渋谷のライブハウス「屋根裏」に通う奇抜なファッションをした女の子達が現れ「ナゴムギャル」と呼ばれた。90年代の篠原ともえのシノラー的ファッション (平成のナゴムギャル) の原型。バンギャまたはバンギャル (バンドを追っかけるギャル) が奇抜で派手なファッションが多い印象が付いたのはこの頃からと推測される。時を同じくして、トランスレコード所属のバンド (YOB2、SODOMなど) の追っかけを「トランスギャル」と呼び、目黒のライブハウス「鹿鳴館」に青白い死にメイクで全身黒に身を包む人々が溢れた。以後、このナゴムギャルとトランスギャルがバックボーンとなり、流行と衰退を繰り返しながら現在のストリートファッションを形作って行った。

現在のロリータファッションは、1980年代にピークを迎えたドール・ファッション (着せ替え人形) の影響も大きいと言われている。

1990年代

1990年代初頭に入ると、ようやくファッションカテゴリーとして区別された「ロリータファッション」という表現が雑誌で使われ始める。「子供服 (ジュニアサイズ) のようなデザインを10代後半以上の女性が着る」といったものが主流であったらしく、現在のロリータファッションとは大きく異なる。現在のロリータファッションのスタイルが固まったのは、ロリータ・ロビンちゃんが活躍した1994年頃である。 そして「ヴィジュアル系」と呼ばれるロックバンドが誕生し始めたのもこの頃からで、今や世界的に有名なバンドX JAPANがデビューしたのもこの頃。「ヴィジュアル系」の呼び名はきらびやかな衣装をまとい、女性的なメイクをしたりと“ヴィジュアルにこだわるバンド”という意味で知られている。X JAPANのファン達が彼らの衣装を真似してライブに通っていた事が現在のゴスロリのルーツになっているとも言える。さらに1990年代後半になるとMALICE MIZER (1992年結成) がブレイクし、中でも女性的ないでたちのMana様が現在のゴスロリに最も近く、散らばっていたパズルのピースをはめ込むようにしてロリータファッションの一つであるゴスロリスタイルを纏めた。その功績は大きく、現在もゴスロリ文化に影響を与え続けている。

1998年に雑誌KEROUAC (現在の「KERA」) のストリートファッションスナップにロリータファッションが取りあげられ、この頃からロリータファッションブランドも多く誕生し始めていた事からユーザーからも「もっとロリータファッションの情報が欲しい」という需要が生れていった。

1999年、シャーリーテンプルから大人のレディースライン「Emily Temple cute」がスタート。

2000年代

ここでようやくロリータのジャンルの細分化が明確に定義され、同時に定着した。

2003年、河内長野市家族殺傷事件が起きる。「ゴスロリ」という語が一般に市民権を得たのは、この事件の報道の影響が大きい。

2004年に公開の映画「下妻物語」のヒットにより世間一般的にもロリータファッションが認知された。主人公竜ヶ崎桃子 (深田恭子) のファッションに憧れてロリータを始めたという女の子も急増したほど社会現象になった。

2000年後半には矢沢あい原作「NANA」がコミック、映画共にヒット。NANAの主人公が愛用しているイギリスのブランドVivienne Westwoodのブームにより、ロリータにパンクの要素を混ぜた「ロリパン (ロリータパンク) 」が急増したのもこの頃からである。今でもヴィジュアル系バンドのライブに通う女の子によく見られるファッションである。

2009年2月、青木美沙子が外務省によって「カワイイ大使」に任命され海外にロリータ・ファッションを広める活動を行う。

2013年2月、福岡県福岡市に世界初のロリータ・ファッションの協会である「日本ロリータ協会」が設立され、青木が同協会の会長に就任

初心者


ロリータに興味があるけど何から始めればいいのかわからないという人は、少しカジュアルダウンした以下のブランドから始めてみると良いかもしれません。

アクシーズファーム

公式 http://www.axesfemme.com/

アンクルージュ

公式 http://ankrouge.jp/

Amavel(アマベル)

公式 http://www.amavel.jp/

Fi.n.t(フィント)

公式 http://www.fint.jp/

シークレットハニー

公式 http://www.est-s.co.jp/

ロリィタ体験サロン


http://www.maison-de-julietta.com/

Maison de Julietta(メゾン・ド・ジュリエッタ)とは、誰もが「ロリィタになれる・試せる・過ごせる・残せる」という、今まで原宿にありそうでなかった日本初の『ロリィタファッション体験サロン』です。

そんな人気のサロンから、ロリィタになった自分を一冊にまとめてくれるアルバムサービスがスタート!

ロリィタ・ファッションの代表ブランド「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」「ALICE and the PIRATES」「Angelic Pretty」「metamorphose temps de fille」「Innoccent world」のご協力のもと、本物のロリィタ服に着替え、ヘアメイクを仕上げた後、お写真を撮ることが出来ます。

複数人での同時にサービスをお楽しみいただくことも可能です。
ヘアメイクからカメラマン、お洋服 まで全てご用意させて頂きますので、手ぶらでお手軽にロリィタをお楽しみにお越しください。
(公式HPより)

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿 地下1.5階
Tel: 03-6434-5464