LIP SERVICE
リップサービス
公式 http://lipservice.jp
株式会社リンワン (RINONE Co.,ltd) が運営するブランド。
COOL&SEXYなスタイルをベースに、上品な露出で艶っぽいラグジュアリー感を演出するギャル系ブランド。渋谷109系ブランドの草分け的存在で、エロカワブームの火付け役とも言われている。
細身のサイズ設計なので、着る人を選ぶブランドだが、ボディーラインも含めたデザイニングこそがリップサービスの追求するセクシーであり、セクシーでカッコいいスタイルに憧れる女性たちに人気がある。
【追記】
2014年春より企画を変更。これまで肌の露出が多いセクシースタイルを打ち出していたが、「商品の質やライフスタイルを重んじる20代後半の方が市場が大きい」と判断し、ボトムで4サイズ、ワンピースで2サイズ展開とし、肌の露出をこれまでより抑えて幅広い層に訴求する。デコルテをきれいに見せるデザインや、光沢ある素材使いで、女性らしい表現は継続する。価格は据え置く。
●歴史●
1948年8月創業、1953年5月に法人改組した。当初は岐阜県に本社を構え、「シンガポール株式会社」の商号で、量販店を中心に百貨店、アパレル向けなどにOEM事業のほか、ボトム専業メーカーとして自社ブランドによる婦人服の卸などを手がけていた。
しかし、関係会社だったゴルフ場経営企業が2003年に民事再生法の適用を申請したほか、関連企業に対する貸付金が重荷となっていたことなどから業績が悪化。その後は「ニチメン株式会社 (現・双日 株式会社) 」の傘下に入り、金融機関より債務免除を受けるなどして建て直しを図ってきたものの、世界的な金融危機や国内消費の低迷などの影響から思うように業績が回復せず、5期連続の欠損計上を余儀なくされていた。
そうしたなか、2011年6月に事業再生コンサルタントの「株式会社MIT Corporate Advisory Services」が双日が持つシンガポール社向け債権を譲り受けたうえで、デット・エクイティ・スワップを実施して大幅に財務を改善、黒字化にも成功していた。
2013年3月には、MITが設立したグループ会社のMITパートナーズ2号合同会社が、アドバンテッジパートナーズからSPA事業の株式会社クレッジを買収。
クレッジ社は、2007年3月27日にジョー・インターナショナル株式会社よりアパレルブランド事業を譲り受け、2007年8月1日より営業を開始。ブランド「LIP SERVICE」「JURIANOJURRIE」「NOELA」などを手がけていた。
2013年7月1日をもって、MIT社が所有するシンガポール株式会社と株式会社クレッジが合併。商号を「株式会社オルケス」とする。
オルケス社は、2014年1月期には年売上高を伸ばしていたが、同年春頃から小売り部門の拡大を目指すべく、支払いサイトの変更要請を行い手元資金の増強を図った結果、取引先からの警戒感が高まっていた。
郊外型ショッピングセンターなどに向けた派生ブランド「CIEL BY LIPSERVICE (シエル バイ リップサービス) 」や、7月にららぽーとTOKYO-BAYに新設したトレンドスクエアに出店した複合型店舗「LUREDY BY LIPSERVICE (ルアディ バイ リップサービス) 」を始めとした直営店事業の拡大や、「ジュリアーノジュリ」のリブランディング、ボトムを軸としたSPA型セレクトショップやライフスタイルストア「UNCHULLE' EMU (アンチュールエミュ) 」などの新業態開発などに力を入れてきたが、夏のセールの不発など売り上げ不振などもあり、資金繰りに行き詰った。
あらゆる手を尽くしたが資金繰りの目処が立たなくなり、オルケス社は、2014年8月27日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。
なお、関係会社の株式会社シンガポールファッションも、同様の措置となっている。同社は1971年12月にシンガポール株式会社と伊藤忠商事 株式会社の共同出資で設立され、婦人服ボトムの製造・保管および品質管理を手がけていた。
民事再生法の適用を申請し、事業ごとにスポンサーへの譲渡を進めてきたオルケス社だが、主力ブランド「リップサービス」事業をOEMメーカーの株式会社カラフルワールドが11月21日付で事業譲受した。さらに、ODM (相手先ブランドによる設計・生産) のミセスブランド事業を帝人フロンティアが、SPAの「ノエラ」事業を総合アパレルメーカーのヒロタがそれぞれ事業譲受し、同月27日付で業務移管した。
譲渡金額は旧・シンガポール社によるミセスブランドが1億5000万円で、旧・クレッジ社の「ノエラ」が約2700万円。また、オルケス社が手掛けていた「ジュリアーノジュリ」は同月末で一時事業を廃止したが、株式会社ノットのブランドとして新たに事業を再開した。
2015年3月1日付けで、ブランド「リップサービス」の運営販売会社を株式会社オルケスより株式会社カラフルワールドの関連会社、株式会社リンワンに変更。
※株式会社カラフルワールド (Colorful world Co.,ltd) 2012年6月22日設立
※株式会社リンワン (RINONE Co.,ltd) 2014年11月20日設立
企業全体ではなく、事業ごとの譲渡を選んだのは、相乗効果が乏しく、収益力にも差があったため。同じアパレル事業とはいえ、事業構造や販路の違いがある場合、M&A (企業の合併・買収) による相乗効果の発揮が難しいことを示している。